2016年5月17日火曜日

総括:フランスで人道・開発援助を学ぶ


前回投稿した引越しの件について、結局引っ越さずにすみました。
というのも、引越し予定日にまさかの彼女が家を出て行き運良く何も支払いしていなかった私は新居をキャンセルすることができたのでした。多分これが個人で契約していたら不可能だったと思うのですが、CROUSだったからかな。兎に角それ以来はCAFの問題がありながらも、平和に過ごしております。


さて、ここからが本題。

大学院に進むにしても国内か海外かで悩んでいる方も、もしかしたらいるかもしれないと思って今回の記事を書くことにしました。ほぼ授業も終わったので、この一年の総括です。

私は法学部人道法・人道支援学科人道・人間開発学科 (Droit et action humanitaire / humanitaire et développement humain)に所属しており大学院でもMaster professionnel (職業専門修士)のため研究というより実践的なこと、主に地政学・法的アプローチから学びます。なので、大学院で研究したいという方には私の所属する院は向いてないかな。一応研究向けコースもあるけど、どちらかと言うと人道・開発分野で将来働きたい人向けです。

主に受けた授業が下記の通り

前期
・人類学
・地政学
・人道法
・安全保障
・公共衛生

後期
・開発学(国連・EU・ODA)
・運送法/団体法 (訳がわからない。Le droit du transport / des associations)
・アクターの戦略法
・国際刑事法

これらに加えて年間を通して外部から講師(国連職員・NGO等)を招いて主に現地(主に中東・アフリカ)から得た知識などについて授業が行われ、そこから地政学を学びます。

深く狭くよりも浅く広く人道分野でのジェネラリスト育成のような大学院なため、今後その分野で働きたい人には選択肢が広がります。また多様な視点から分析するのを求められるため、一つに囚われず幅広い視野を持つ力も養えると思う。

試験については後期は分かりませんが、前期は4日間に渡りシリア情勢について分析して質問に答えるもので、赤十字国際委員会の就職試験の模擬試験をしたい?という狙いから、試験直前まで一切試験科目について予告なしです。資料が山ほど配られるのですが、大半が英語なためある程度英語力も求められます。ただ筆記はフランス語です。

海外の大学院に進んでよかったと思う点は、語学力が伸びるのは勿論ですがそれ以上に欧州からの視点で学べるのはすごく刺激的でした。フランスという自由!人権!を掲げながら旧植民地に対する援助は今でも植民地時代の名残がある一方で、ヨーロッパ人は少なからず歴史に対する”罪悪感”から援助を行っているのはパラドクサルのような気がします。加えて在仏中にパリで二度のテロ事件が起きたのもありますが、移民問題・安全保障問題等に直面している欧州で学ぶのは、日本で同じことを勉強しても実感できないだろうなと。例えるなら東北大震災が起こった時に、仮に被災していなくとも感じた何かがあると思うのですが、それと似たようなもの。

将来世界を舞台に働きたい人には海外での大学院おすすめです。

きっと日本で進学していたら、母語が一番すんなり頭に入るという点から知識・理解をもっと深めれたかもしれない。でも語学の壁なんて自分次第ですので、何度も辞書を引いて人一倍努力すればなんとかなるもんです。

経済的な話だと、最初の頃は働いてなかったので出費の嵐で貯金の半分ほどが消えたのですが、(Science poにいた時の学費が痛かった)アルバイトを始めてからはそこからやりくりしてます。正直日本の大学院の学費を払って一人暮らし出来る余裕があるならば、フランスで留学しても費用は変わりません。大まかにまとめると

1年目
学費 2400€(保険込み)
家賃 400€(最初の4ヶ月)それ以降350€(住宅補助100€)
携帯代 23€/月
ネット代 13€/月

2年目 
学費 500€(保険込み)
家賃 350€(同上)
携帯代 13€/月
ネット代 13€/月
ビザ更新費用 50€

大まかですがこれプラス食費・交際費くらいでしょうか。勿論治療費とか思わぬ出費に見舞われることもありますが、基本的にバイト代でまかなって、大きな買い物とか旅行費を日本のカードで払ってます。あとパリとかだと家賃も上がるからあくまで一例ですが、なんとかなります!ついでに貯金もできる。


私はかれこれフランス学生生活トータル3年目を過ぎようとしてますが、来て良かったです。勿論日本社会では少数派になるし、アウトローかもしれないけど!選んだのは自分です。







2016年3月1日火曜日

ルームシェア問題(その3)

ルームシェア問題編、これで最後です。

結論から言うと、結局私が引っ越すことになりました。


試験期間中はテスト以外のストレスも抱えたくなかったので一時避難していたところ(その節ではバイト先の社長に感謝!)大家さんから「サンドリンヌが大家さんに嫌がらせを受けたと警察に被害届けを出して状況が悪化した」と連絡が来る。そのせいで大家さんは彼女とコンタクトも取れず、八方塞がりに。直ぐに大家さんの元に詳しい話を聞きに行くと、大家さんと奥さんのやつれた様子が目に映る。詳しい経緯は書くのを控えるが、普通の人がすることではないのは確か。

ウェンディーによると一応一人暮らし用の家を探してみたが、家賃が高すぎて借りれないらしい。そこで居座るために取った方法なんだろうけど、、、私含め周りのみんなが出した結論が彼女は精神的に病を抱えているんじゃないだろうかと。それなら納得いくんだけど、もちろん本人には聞けない。もし鬱でもなく彼女の意思で行ってるなら、タチが悪すぎる。

残り3、4ヶ月我慢しようかと悩んだけど、修士論文にインターン探しなど控えていて家でずっと気を使い続けるのは無理なので引っ越しすることにしました。

ウェンディーがスカっと話を聞かせてくれた。サンドリンヌが「人生変えにフランスに来た」とフランスに来るに至った話をしたみたいだけど、週2日しか働かず残りの5日はずっと引きこもっていて、いつも口だけの彼女に「変えたいなら行動したら?」と言ったらしい。そしたら拗ねて怒り出したみたい。


この一件で大家さんとウェンディーには迷惑かけて申し訳ないけど、彼らや社長、友人の助けがなかったら一人で絶対乗り越えれなかったので、改めて人間関係の複雑さや大切さを学べていい経験になった。ということにしとこう。


この6年で9回目の引っ越し(笑)慣れたもんです。




2016年1月31日日曜日

ルームシェア問題(その2)

前回の続き ルームシェア問題(その1)

家を出ると決めた翌日にCROUS(学生寮・アパート)に空き部屋がないかと聞きに行き、必要書類を貰い、次の日に書類を提出してその足で大家さんの所に退去届け(Aix-en-Provenceでは1ヶ月前)を出しに行く。

退去届けには退去理由も書かないといけないので、「実はサンドリンヌと問題があって、、、」と言った瞬間に「ああ。」とすぐに察知した大家さん。とりあえず事情を説明し、手紙を読んでもらいこのような態度を取る人とはもう住めないと話すと、大家さんも彼女とトラブルがあったらしく、尚且つ家の状況もなんとなく察知していたみたいで忠告、もしくはそれが受け入れられないなら退去命令を出そうと悩んでいたよう。

「あなたが出て行く必要はない。仮にあなたが出ていっても新しいルームメイトと必ず問題起こすから退去命令を出すよ。僕に権利はないからこの手紙は読まなかったことにするね。今日の午後にでもサンドリンヌに話にいくけど、彼女は経済的な問題があるかもしれないし、法的に3ヶ月の猶予があるかもしれないから、またそれについては後日話そう」

ということで落ち着く。因みに幸運にも新居のサインはしていなかったけど、万が一のために今は保留にしています。



その日の夜、家に帰ると彼女がいたので挨拶しても無視。翌朝誰かがノックする音が聞こえたので出ると、彼女がいて「なぜ大家さんの前で泣いたの?」と普段フランス語なのに、ウェンディーにも理解出来るようにか英語で話し始める。ウェンディーは関係ないし、フランス語の方がお互い理解出来るからフランス語で「あなたのせいではないし、ただ感情が溢れて涙がこぼれた」と答える。事実、手紙の話をしてる時に怒りがこみ上げてきてちょっと泣いただけで(怒りの頂点に達すると涙が出る体質)、決して大家さんに泣きついたわけではない。

まとめると「子供じゃないんだからなんで私に先に言わないの?あなたのせいで家を出ないといけないしそもそもケーキはあなたが悪いじゃない」ということを長々と言われ続け、ひと段落がついたとこで「返事してもいい?」と聞くと「どのみち家を出ないといけないし、こんなとこに住みたくもないし、あなたとはもう話したくないから」と言い放ってその場を離れる。元は私が出る予定で家も見つけ、ケーキの件に抗議してるのではないことを説明しようにも聞く耳持たずな態度だとどうしようもない。


その日から約2週間彼女は実家に帰っているので、今は平和に過ごしてるけど、そのあとどうなるやらっていうのが現状。様子見なのでまた進展があり次第その3も書こうと思います。




後日、サンドリンヌから少し話を聞いていたのは知っていたけど謝罪もかねてウェンディーにこれまでの経緯を説明。「私は彼女と問題がないけど、それでも目や耳を疑うような態度があったからその気持ちも分かるし、仮にあなたの立場なら同じ事してたと思うからいいよ」ていってくれる。なんていい子>< 

日頃から疑問に思えばその都度言えばよかったのかなとか反省点はあるし、そしたらこんな大事に至らずに済んだかもしれないと思う反面、いずれは起きることであって偶然このタイミングだけだったのかもしれない。きっかけは私が原因(ケーキの件)だし、完全に悪者になってますが、幸い大家さん・ルームメイト含め周りは理解してくれてるので良かったかなーと。C'est la vie ! それが人生ですな。

めいびー・つづく



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ウェンディーが手紙の返事をもらった翌日にサンドリンヌから「問題は解決したから大丈夫だよ」と言われたという話を聞いた瞬間、「あの手紙を貰って怒らん人なんて誰がおるかー!!」と叫びたくなった。
宇宙人みたいな人はどこにでもいるけど、一緒に住むのは無理。

2016年1月29日金曜日

ルームシェア問題(その1)

本題に入る前に今の私のルームメイトを紹介。
サンドリンヌ 40歳、女性、去年の11月に入居、ルームシェア初
ウェンディー 23歳、女性、2週間前に入居
私      23歳、女性、一昨年の12月に入居



事の発端は本当に些細な事から始まる。ある日、私の誤解でサンドリンヌの作ったケーキ食べてしまった。そしたら彼女に「あなたがケーキを食べたの?」と聞かれたので素直に「うん」と答えたら「ウェンディーがケーキを置いたとは言ったけど私のケーキの話はしてない。食べるのはいいけど、一言声を変えてほしい」と忠告されたので間違って理解してたことを述べて勝手に食べる形になって悪かったと謝り、忠告にも了解した。

それに続けて彼女が「あなた以前もタッパーの中身勝手に入れ替えてたけど、何か私のものを使うなり触るなら声かけてくれ」ときつい口調で言われた。因みにそもそもそのタッパーは私ので、そのタッパーが必要だったから他のに入れ替えただけ。

その場では、「分かった」と返事したけどその日1日中そのことについて考えた。今までの経験から言うと仮に自分が買ったものでもみんなと”シェア”してたし、使うたびに一々聞くことはなかった。勿論高価な物(肉、野菜など)は使わないけど、調味料、洗濯、野菜、日用品等は共有してた。サンドリンヌが引っ越してきた時に「食器の洗剤て一人一個ずつ?」と聞かれたので上記の事を説明したけど彼女が家にある物を別に一式揃えて置いてたから(人それぞれのやり方は違うしなあ)と思って特に何も言わずそのままにしてた。

少し逸れるが、今まで何度か彼女の行動に対して疑問に思うことは多々あった。パソコンの音下げてほしいと言いながら自分はテレビの音量あげてたり、タッパーの件もそうだけど人はダメで自分がいいというような態度。加えてまるでこの家の家主のような行動もあったが、それ以外ではいい人だったし「人を変えるよりも自分が出来る限り合わせる」「学業が最優先で無駄な時間と労力を費やしたくない」の二つの理由からその問題には向き合っていなかった。

話は戻って、考えた末に直接言うと感情的になると思い手紙に以下の三点を書いた。
・ケーキの件への謝罪と手紙という形で伝えることへの断わり
・貴方のやり方に合わせるのは問題ないが、違うやり方(2年以上のルームシェアの経験に基づく)もあるということを知ってほしい
・今後ともお互い尊重し、問題があれば妥協点を見つけ仲良くしていきたい
今思えば頑張っても直接言えばよかったのかもしれない。


手紙を渡したその日に返事が返ってきた。そこには思い出したくもない程の内容が書き連ねられていて、読んですぐさま「彼女とはもう住めない、引っ越そう」と決意する。

きっかけは些細な事だけど、放置していた問題のストレスが積み重なり、手紙の返事が決めてとなって爆発してしまった。。少しでも相手に歩み寄る態度があればよかったけど、その欠片もなく誹謗中傷されるという。


つづく。